2013年12月14日土曜日

ビックリしました、友人代表挨拶の途中、突然・・・

 リーガロイヤルホテル京都 ( 元 京都グランドホテル)
 京都駅のすぐ西に有る大きなホテル、現在の名称はリーガロイヤルホテル京都、当時の名前は京都グランドホテルでした。2階全体が数多くの部屋に仕切られており、何組もの披露宴が同時に進行する事も可能でした。ここのホテルでは、結婚式場は数代の固定カメラがセットされていて、それを専属の方がコントロールして撮影するシステムでしたので、私達、アルバイトのブライダルカメラマンは、披露宴の撮影だけが担当業務でした。いつも通りに、披露宴会場にご出席の方々を新郎新婦とそれぞれのご両親、仲人の方が招き入れて、いよいよ披露宴がスタートしました。会場内のライトが消され、ドアが開けられると、そこにはスポットライトに照らされた新郎新婦。皆さんの拍手、祝福のお声掛けに迎えられて、新郎新婦のお席まで・・・。仲人の方から新郎新婦のご紹介、主賓の方々、お二人からのお祝いのお言葉を頂き、続いてケーキカット。撮影は順調に進行していました。次に友人代表からお祝いのお言葉。カメラは宴会場の中程の位置から、三脚にカメラを乗せて、祝辞の方々を撮影していたのです。友人代表の方も、調度ズームアップをして、胸から上、お顔を中心に撮影を続けていました。しかし、そのご挨拶の途中で、前後に身体が揺れ始めたのです。私は当然ながら、カメラのディスプレイを覗いて、お顔がセンターから外れない様に、カメラを左右に少しずつ回転させて撮影をしていました。しかし、移動が急に激しくなって、モニターで追い切れなくなったので、やむを得ずズームバック、その方の顔を逃さない様に撮影していたのですが、顔が床にまでいってしまったのです。カメラのディスプレイから目を離して、直接、その状態を目に確認した時、慌てて、カメラのボタンを押して、撮影を中断しました。ナント、祝辞を仰っていた方が、床に倒れていらっしゃったのです。少し前から、お顔は、何度か前後に動いていましたが、演技では無くて、緊張の為でしょうか、軽い貧血を起こされたみたいでした。、どこかの記者会見等の撮影中に、その方が倒れた場合等でしたら、ずっと撮影を続けるのかもしれませんが、披露宴での祝辞の途中ですので、これは撮影するべきでは無い・・・と、撮影は中断しました。しかし、その時もカメラはズームバックした状態で、その全体が写る向きのままでした。20代半ばの方でしたが、緊張の為でしょう。皆さんがすぐに寄って手を差し伸べて、お席に戻って、その後は大丈夫のご様子でした。
 当日の撮影を終えて、次の日に、ビデオの会社に納品に行きました。しかし、今回の撮影は、途中で発言者が転倒、カメラをストップさせていましたので、その件を報告。テープを再生して、その転倒シーンを見て頂き、ここの部分は、編集の手直しが必要です・・・と。会社の方もその場面をご覧になってビックリなさっていましたが、私の業務としては、それで完了です。本番のテープと、抑えのテープ、その2本を提出する事で、後の編集は会社側にお任せです。何も問題が無い場合には、カット撮影したテープだけを提出して、その場でテープの再生点検等はしないのですが、手直しが必要な場合には、その個所を説明しておく事が義務付けられています。
普段から撮影会場には2台のテープデッキをセットしていて、1台はカメラのスタート、ストップに連動して撮影する物、それと、もう1台は修正時等に使用出来るように、スタート、ストップに連動しないで、連続撮影をするテープの両方の撮影テープを残しているのです。もし万一、言葉が途切れた場合等には、抑えのノンストップのテープからであれば、修復が可能です。もし、カメラマンの操作の失敗等からの手直しの場合には、ペナルティが課せられ、撮影料から控除されますが、止むを得ない場合には、ペナルティの対象では有りません。
 しかし、中には酷いカメラマンも居ました。未だキャリアは浅い方でしたが、その方のお話しを伺っていて、私も驚いた事が有ります。披露宴の撮影をしていたところ、テープが終わって、ビデオがストップしたそうです。ま、普通でしたら、そこで予備のテープを出して、その後を撮影して、会社に依頼して、1本のテープに編集加工依頼をすれば済む事です。ところが、そのカメラマンは予備のテープを持参していなかったそうです。テープが終わってしまって、後の撮影が出来なかったら、そこで撮影を終えておけば、未だ良い訳が出来ます。ところが、そのカメラマンは、事もあろうに、とんでもない事を実行したそうです。ナント、撮影済みのテープを巻き戻して、そのテープを初めから使用して、最後まで、撮影を継続したそうです。ホント、これでもプロのカメラマン??と、ビックリしました。同じテープに、書き直しをすれば、元の記録は消去されてしまいます。ホント、ビックリしましたが、この様な方もいらっしゃったのです。披露宴の記録を依頼された会社として、どの様な言い訳をなさって、或いは、どの様な賠償に応じたのかは知りませんが、会社も、ホントお手上げだったと思います。
 私は、大きな失敗も無く撮影は継続していましたが、本業の会社から、大分にある子会社への出向を命じられましたので、止むなく、アルバイトは中止しました。大分でも、その様なアルバイトが有れば・・・と、何軒かのホテル等を尋ねましたが、地方の為か、マダマダ本格的な撮影依頼は無いとかでしたので、諦めました。当時のカメラ、大型デッキ、編集コントローラ、ハロゲンランプ、カメラケーブル等は、大切に保管しています。

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