2013年11月5日火曜日

やっと手にした一眼レフ、Minolta SR-1

初めて手にした一眼レフ、Minolta SR-1、未だ未だ、世間には一眼レフは珍しい存在でした。レンズは55mmf:2.8。このカメラを手にするまで、何度カメラ店に足を運んだ事か・・・。ショーウインドーの前で、ジーッと眺めまわして、横に置いてあるNikon Fを横目で見ながら…、しかし、その価格表示を見て、自然と目はMinoltaの方に・・・。当時の価格で、Nikon Fは、Minolta SR-1の約2倍の価格でした。暫くショーウインドウの前で眺めてから、店内に入って、カタログを頂きました。カタログは無料ですので、当然Nikonのカタログも頂きました。自宅に帰ってからは、そのカタログを隅から隅まで、じっくり研究。その翌日には、再度カメラ店を訪ねて、暫くショーウインドウを眺めた後に、やっと店内に入って、お願いをしてNikon-FとMinolta SR-1の二つのカメラに初めて触らせて頂きました。初めて手にした一眼レフ、それ迄はコンパクトカメラ Olimpus Pen でしたから、重量も全く違い、又、ファインダーを覗いたその世界は、まるで別世界を眺めている様な感覚でした。価格を訪ねると、ショーウィンドウに表示されていた価格の返事が返って来ました。その価格を頭に入れて、今度は、又別のカメラ店へ自転車を走らせて、同じくショーウィンドウで価格を確認した後に、店内で、価格を尋ねて・・・。次から次と、カメラ店を梯子して、価格の比較をしておきました。その当時は、店員と価格の交渉をする等の発想は浮かびませんでした。店頭価格が全て・・・と、考えていた、マダマダ純真な私でした。数多くのカメラ店で価格の確認をした後、父親に請願して、やっとOK。初めての一眼レフを手にする事が出来ました。
 当時の一眼レフは、自動装置、露出計の組み込み、ピント調整等は、何も組み込まれていません。全てが手動で、後はカメラマンの腕次第です。当然、慣れも必要でしたので、常にカメラは私の傍に有りました。学校に通う時も、密かに鞄の中に・・・。学校の帰りには、近くの後楽園に寄ってみたり、当時は未だ天守閣は再現されていませんでしたが、岡山城跡に行ってみたり。帰宅すると、慌ててダークバッグを持ち出して、フィルムの現像タンクにフィルムをセット、時計を確認しながら現像液の注入、中間停止、定着液。そこまで終えると、一度そのフィルムを取り出して、撮影と現像の確認。しかし、ネガですから細かい事は判別できませんが、一応確認の後、数時間の水洗を開始。
 岡山で国体が開催された時は、ほとんど毎日、カメラを持って撮影に出掛けました。午後から始まる高飛び込みの日、私は午前中から、誰も居ない、その高飛び込みのプールサイドに陣取って、三脚をセットしてスタンバイ。午後になって、係りの方が見えましたが、「報道の方ですか?」との問い掛けに、素直に『ハイ、そうです』と答えて・・・。高飛び込みの姿を逆光で、シルエット撮影しました。
その時の写真、後日開かれた国体の写真展で入選でした。
 この当時は全てがモノクロ写真でした。カラー写真も有る事は有りましたが、現像、プリントは全て郵送での依頼でしたので、私がカラー写真を写す事は一度も有りませんでした。でも、フィルムは映画撮影用のコダックの100ft巻、ASA400を購入して使用していました。
 毎日毎日、写真撮影に頑張っていたのですが、フト抱いたのが動画の撮影に対する興味でした。当時、家庭用の動画、8ミリ映画が発売されて、未だ日の浅い時期でした。映画といえば映画館で見る映画だけで、家にはテレビも無い時代でした。当時発売されていた8ミリ映画に対する月刊誌は3種類、小型映画、8ミリ、8ミリシネの三種類。高校2年生からでしたか、毎月3種類の月刊誌を購入して、それだけでは物足らず、小型映画の別冊、何種類も有りました、ストーリーの組み立て方とか、撮影の全て、編集方法等々、全て買いました。買っただけでは無く勿論熟読しました。自分でストーリーを考えて、それを撮影、撮影した物を編集・・・。その時、頭に叩き込まれたのが『起承転結』です。物語はその全てが起承転結で進めれば、上手く出来る・・・という事です。『起』で何かが始まって『承』でそれを暖かく持ち上げて、『転』で何か大きな変化を与えて、最後は『結』で丸く纏め上げる。ホント、何事もそうです。ドラマも小説も。私は何かを纏め上げるには、全て、その言葉を頭に入れながら作業を進めています。その当時、勿論カメラ店に展示されていましたが、8ミリ映画のカメラ等、見かける事は有りませんでした。それを、私がやろうとしたのです。カメラで撮影した後は、そのフィルムを現像所に郵送、帰って来たフィルムは、8ミリ映画の映写機も必要でした。カメラだけでも3万から5万、映写機も同じ位でした・・・・。さあ,私の夢は大きくなる一方でした・・・・・・・・。

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